世界の神話を英語で紹介する「シリーズ・神話を英語で学ぼう」。
今回はインド神話を取り上げます。
インド神話とは?
まずはじめに、「インド神話」とは一体何なのでしょうか?
インド神話といっても、その種類には3つあります。
・ヴェーダ神話
・ブラーフマナ神話
・プラーナ神話
インドには宗教がたくさん存在しますが、その中でもバラモン教とヒンズー教が神話に大きく関係しています。
ヴェーダ神話はバラモン教に、プラーナ神話はヒンズー教に伝わっており、ブラーフマナ神話はその二つの神話をつなぐためのものと言われています。
今回は、この3つの神話の大まかな説明をしていきます。
The Indian mythology consist of three mythologies.
インド神話は3つの神話から成っている。
ヴェーダ神話
ヴェーダ神話では神々はデーヴァ神族とアスラ神族の2種類に分類されています。
デーヴァ神族は現生利益をもたらす神々とされ、人々から祀りを受けて、その引き換えに恩恵をもたらします。
デーヴァ神族の代表的な神は雷神・インドラです。
インドラは英語で「Indra」と言います。
それに対して、アスラ神族は宇宙の森羅万象を司る神々とされています。
その恐るべき神通力と幻術を持って、人々に賞と罰を与えます。
アスラ神族の代表的な神は天空神・ヴァルナです。
ヴァルナは英語で「Varuna」と言います。
デーヴァ信仰が盛んになるにつれて、アスラの信仰は衰えていき、終いにはアスラは悪魔として認識されるようになります。
デーヴァとアスラという二つの神族がありました。
ブラーフマナ神話
インド神話では世界の最高原理「ブラフマン」がとても重要に語られています。
ブラフマンとは、インド神話に登場する神々の源とされている抽象的な概念です。
そして、抽象的な概念であるブラフマンは創造神・ブラフマーとして描かれるようになり、とても大きな力をもつ神とされました。
ブラフマーは英語で「Brahman」と言います。
この名前はバラモン教「Brahminism」の由来となっています。
このブラーフマナ神話で登場する有名な神が暴風神・ルドラです。
ルドラは英語で「Rudra」と言います。
ルドラはモンスーン(季節風)を神の形にしたものとされ、風水害をもたらす反面、大地を豊かにします。
彼は悪魔の神々・アスラ神族の城にある3つの砦をたった1本の矢で破壊したことでよく知られています。
ブラフマーは創造神です。
プラーナ神話
プラーナ神話は二大叙事詩「マハーバーラタ」と「ラーマーヤナ」に基づいています。
この神話の中に登場する三神一体の神々が創造神・ブラフマーと維持神・ヴィシヌ、破壊神・シヴァです。
ヴィシヌは英語で「Vishnu」、シヴァは英語で「Siva」と言います。
維持神・ヴィシヌは動物や人間など姿を変えて人々を救い、英雄と称されています。
巨大な亀になって大地を支えたり、巨大なイノシシとなって大地を水からすくい上げたり、英雄となって暴君から人々を救ったりなど大活躍します。
それに対して、破壊神・シヴァは気性が荒いことで知られています。
シヴァの息子にガネーシャという象の頭をした神がいますが、なぜ象の頭をしているか知っていますか?
シヴァの妻・パールヴァティーは彼が留守の間、自分の体からでた垢で息子・ガネーシャを生み出します。
そして、彼女がお風呂に入ってる間にシヴァが帰宅し、シヴァとガネーシャは初めて対面します。
しかし、お互い見知らぬ同士の二人、ガネーシャはシヴァを部屋に入れようとしません。
そして、激怒したシヴァはガネーシャの首をはねてしまいます。
後々、ガネーシャが自分の息子であることを知ったシヴァは旅先でゲットした象の頭をガネーシャにくっつけます。
そのため、ガネーシャの頭は象の頭なんですね。
ヴィシヌとシヴァの性格は真反対です。
以上、インド神話を英語で紹介しました。